二ビル通信

えげつない問題を勝手気ままに取り上げるブログ


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自称学生支援機構の度を越えた暴力団的取立て


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経済的困窮者に対して数百万円を一括で繰り上げ請求し、払えなかったら年利10%(4月以降は5%)の延滞金をつけて裁判を起こす。サラ金でもやらないような乱暴な取り立てが問題になっている独立行政法人日本学生支援機構」(理事長=遠藤勝裕・元日銀神戸支店長)に対し、筆者は去る2月にインタビューを申し入れ、再三にわたる催促の結果、2カ月後の4月25日にようやく実現した。「支払能力がない利用者に対する一括請求は、日本学生支援機構法の施行令5条4項違反ではないか」という、筆者がもっとも聞きたかった問いに対し、結局、職員らはまともに答えることができず、違法行為を堂々と繰り返している疑いが濃厚となった。親方「日の丸」をいいことに、ひたすら数字を追い、若者を借金苦に突き落としておきながら、説明もない。学生を支援しない「日本学生支援機構」は、その実体にあわせて「学生借金奴隷化機構」と改名すべきではないか。

◇ 最大の問題は「延滞金」と「一括繰上げ請求」
 インタビューは4月25日、日本学生支援機構市谷事務所で行なった。応対したのは、奨学金事業部奨学総務課の谷江徹司課長と課員2人。広報課の斎藤まり子課長補佐が同席した。
 「奨学金」という名の官製学生ローンは、いまや大きな社会問題となっている。問題をただすため筆者は去る2月25日にインタビューの申し入れをしたが、1ヶ月以上にわたって放置された。そこで抗議したところ、4月25日にようやく取材が実現した。インタビューを望んだのは、特に「一括繰上げ請求」について機構の見解をただしたかったからである。

 あらかじめ「一括繰上げ請求」について説明しておきたい。

 日本学生支援機構による学生ローン(以下「奨学金ローン」と表記する)が持つ最大の問題は「延滞金」と「一括繰上げ請求」ではないか――数年来の取材を通じて筆者はそう考えるにいたった。

 延滞金の悪質さについては言うまでもない。返済が滞ったとたん、年10%(4月以降は年5%)の利率で借金を増やしていく。利用者が懸命に弁済したお金は、元本よりもまず延滞金に吸い上げられる。延滞金を払い切るまでは元本は1円も減らない。わずかずつしか払えない場合は、最悪、死ぬまで延滞金を払っても元本がそっくり残るという悲劇が起こり得る。

 機構がいくら「延滞金」の取り立てに励んだところで、国民にとってはいいことは何もない。「次世代の貸与原資」とは関係がない「雑収入」に計上され、債権管理回収業者(サービサー)などの懐を肥やすだけなのだ。

 そして「一括繰上げ請求」にいたっては、〈「奨学金」という名の悪質公的学生ローン 施行規則も何のその、「支払い能力」無視して一括繰上げ請求しまくり〉で報告したとおり、その悪質さは犯罪的といっても言いすぎではない。

 15年から20年の分割返済だったはずなのに、わずか2年か3年目で残元金すべてを請求してくる。300万円とか500万円を「耳をそろえて返せ」と取り立て裁判を起こす。一括で返せる者などまずいない。困惑する利用者に、支援機構は構わず年10%(5%)の延滞金をつける。裁判で和解が成立するその日まで延滞金を取り続ける。ビタ一文負けない強気の姿勢は往年の武富士よりもひどいかもしれない。

◇ 「支払能力は審査していません」の怪
 大学を卒業したばかりの若者に対して何百万円も一度に請求するなどという乱暴なことがなぜできるのか。根拠は日本学生支援機構法施行令の5条4項だと機構は説明する。しかし条文をみると、ひっかかりを覚えてしまう。

日本学生支援機構法施行令 第5条4項】
 学資金の貸与を受けた者が、支払能力があるにもかかわらず割賦金の返還を著しく怠ったと認められるときは、前三項の規定にかかわらず、その者は、機構の請求に基づき、その指定する日までに返還未済額の全部を返還しなければならない。
 「支払い能力があるにもかかわらず」

 条文にははっきりとそう書かれている。まとまった金を持っているというのが一括繰上げ請求できる条件なのだ。筆者が取材したケースはすべて支払い困難者だった。難病で働けないような人もいた。明らかに何百万円も払う経済力のない人たちばかりである。

 経済的困窮者に対してなぜ「5条4項」が適用できるのかーー。

 昨年8月、筆者は支援機構に質問状を送った。9月2日付で回答がきた。そこにはまずこうあった。

 「(支払能力について)審査はしておりません」

 驚いたことに、支払能力を調べていないというのだ。