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二ビル通信

えげつない問題を勝手気ままに取り上げるブログ


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東金事件に証拠捏造の疑いきわめて濃厚其の2


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◇「公判前整理手続」という密室裁判
 無罪であるとする弁護側の説明を紹介する前に、「公判前整理手続」について説明しておこう。

 公判前整理手続とは栽培員制度をにらんで「刑事公判の迅速化」を名目に、2005年から導入された手続きだ。検察・弁護人の双方が出席して裁判官の指揮のもと、公判で立証する内容をあらかじめ開示する。証拠や主張する内容も提示して、流れが固まった段階で公判を開いて「予定どおり」に進めて行く。傍聴は認められず、必ずしも被告人が出頭する必要もない。

 罪状に争いがなく単純な事件なら、一般的に1回から3回程度で整理手続を終えて公判を連日開廷する。早ければ2日~3日で裁判は終わる。だが今回の事件のように無罪を争う場合など検察側と弁護側の主張が真っ向から対立すると、容易に「整理」は終わらない。公判の「シナリオ」が確定するまで延々と整理手続を繰り返す。「整理」といいながら事実上、裁判ははじまっていると言っていいだろう。

 事実上の裁判がはじまっているにもかかわらず傍聴が認められず非公開の密室のなかで行われているのは憲法が保障する裁判公開の原則に反するのではないか、と筆者は感じる。だが、裁判の核心部分ではない、という解釈によって非公開にされている。

 さて、東金市の事件では、1月25日までに8回の公判前整理手続が行われた。第8回目の手続で、弁護側は公判で主張する予定のすべての主張と証拠を提示し終えた。一方検察側は、副島弁護士によれば、次回2月12日の第9回整理手続までに、とりあえずできるところまでの反論をする、と述べたという。したがって、もうしばらくは公判前整理手続が繰り返されそうだ。この手続きが終わらない限り公判ははじまらない。

 以下、勝木氏が無罪である理由について副島弁護士の話を聞こう。理由はいくつもある。まずは指紋と掌紋についてである。

◇ レジ袋の「指紋・掌紋」は別人のもの
 「弁第1号証~弁第3号証という斉藤さんの鑑定書と上野正彦先生の意見書・鑑定書…つまり、指紋に関する鑑定書です」

 副島弁護士が説明するのは、元栃木県警鑑識課員で指紋鑑定士の斉藤保氏と、監察医の上野正彦氏による指紋・掌紋の鑑定結果である。


「指紋一致」を根拠に勝木氏の逮捕状を請求した千葉県警東金警察署(上)と、逮捕状を発行した八日市場簡易裁判所=千葉県匝瑳市(そうさし)=(下)。指紋一致の証拠はいまだその存在すら定かではない。
 幸満ちゃんの衣服が入れられていたレジ袋からは、指紋・掌紋が検出されたとされる。検察によれば、それが勝木氏のものと「一致した」。数少ない物証のひとつで、勝木犯人説の決め手とされた。指紋が一致した、とマスコミでも大々的に報じられてきたものだ。

 この指紋・掌紋の「一致」に弁護団は疑問を抱いた。そのわけは後に触れるが、公判前整理手続の場で検察側が提示した指紋・掌紋の証拠について、あらためて独自に専門家に依頼して、本当に勝木氏のものと同じものなのかどうか検証した。その鑑定を行ったのが斉藤氏と、上野氏だった。

 両者ともに鑑定の結果は次のとおりだった。

 レジ袋の指紋・掌紋は勝木氏のものではない。別人のものである――