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二ビル通信

えげつない問題を勝手気ままに取り上げるブログ


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プロジェクトXのウソ


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NHKプロジェクトX」の問題


 とりあえず一番よく情報がまとめられている「スポーツ報知」のWeb上から5月24日8時1分更新の記事を引用させていただく。

 NHKの看板ドキュメンタリー番組「プロジェクトX 挑戦者たち」(火曜・後9時15分)の放送内容が事実と異なるとして、取材を受けた大阪府立淀川工業高校(大阪市旭区)が、NHKに再放送をしないよう申し入れを行っていたことが23日、分かった。
 問題が起こったのは5月10日放送の「ファイト! 町工場に捧げる日本一の歌」。淀川工業を舞台に、新人教師が合唱部を作って荒れた生徒たちを成長させ、コンクールで日本一を獲得するまでを描いたストーリー。視聴率は10・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。
 NHKには放送直後から電話やメールで「感動した」などという反響がある一方、同校OBなどからは「事実と違う」などと批判が複数寄せられているという。
 ストーリーの主役として描かれた同校合唱部顧問は、大阪・朝日放送がこの日放送したインタビューで「(パトカーの話は)冗談で話したら、(NHKの)ディレクターが(番組に)入れたというから『うそやから、入れんといて』と言った」「合唱部は学校側から作ってほしいと言われた」などと反論。NHKには削除を申し入れたが「編集が間に合わない」と断られたという。
 番組内では触れられなかったが、淀工には当時から全国レベルの吹奏楽部があり、当時を知る関係者は「ワルの生徒たちの集まりのような“問題校”ではなかった」と指摘している。

番組で放送されたのは次のようなストーリー。

 《1979年、淀工の生徒たちは授業をさぼり、ゲームセンターに入り浸りバイクで暴走など問題を起こす生徒が続出し、年に80人の退学者が出た。そこに赴任した合唱経験のある23歳の新人教師が「歌を通して、生徒たちを変えられないか」と、やる気のない生徒たちを集めて3年後に合唱部を作った。関西合唱コンクールに初出場した時には、主催者がパトカーを呼ぶなどしたが銀賞。のちに全国大会に出場し、金賞を獲得した》

 私はこの問題となった回の番組を予告編でしか知らない。最近「プロジェクトX」は全く見ていない。番組が始まった当初は、中島みゆきの曲は結構耳に残るいい曲だなぁと思っていたので見ていたのだが、結局、この番組の作り方があまりに短絡的すぎるので飽きてしまったのである。

 「プロジェクトX」の題材は、「1.企業戦士紹介(=企業広告?)」「2.日本文化関係」「3.美談」のどれかに分類できる。それはNHKの同番組の過去の題材一覧を見れば明らかである。
 手法がこれまた、要するにある特定の人物にスポットを当てるというクサいやり方に堕している。また、その切り方も浅い。(田口トモロヲの片言のようなナレーションは、その浅さをごまかす最高のマインドコントロールだ。)たとえば初年度の2000年に放送された第25回の「幻の金堂・ゼロからの挑戦~薬師寺・鬼の名工と若者たち~」などは、塩野米松による「木のいのち 木のこころ」(草思社)を読んでいた私にとっては期待はずれでしかなかった。とはいうものの、これら「2.日本文化関係」についての分は、歴史の教員にとって興味深いことが扱われたりしていて、一定の評価はしてもよいが。
 「1.企業戦士紹介」のジャンルに関しては、企業全体の広告になるという点では、企業にとっては利用価値大の番組だろうが、それとて「おいおい、あの件の手柄はあいつが独り占めかい?!」と言いたい同僚もたくさんいるのではないか? そしてその点は「3.美談」も同様だろう。要するに、こういう形での番組作りをするとなると、人選がどうしても恣意的になるのだ。

 本来ならもっと多くの人々による複雑な協力(や対立)によって行われたであろうことを、特定の個人にべったりと寄り添った話にすり替えてしまうというのは、司馬遼太郎の悪い点をまねしている感じがする。同様の切り方をしている番組がもう一つある。「その時歴史が動いた」である。これも題材的には面白そうなのだが、どうにも切り方が気にくわない番組である。

 さて、それでも大筋で歴史事実的な誤りがなければ、まあいい。ところが「プロジェクトX」は、どうもその根本の事実関係で、今回に限らず何度か間違いをやらかしているらしい。
 今回の淀川工業高校合唱部の件は、予告編を見ただけで、以前放送された伏見工ラグビー部の話(2000年放送第30回「ツッパリ生徒と泣き虫先生~伏見工ラグビー部・日本一への挑戦~」)と同工異曲という感じがして、合唱経験者の私としては「それを合唱でやるのかよ!」とどうも嫌悪感のほうが先に立ってしまって見なかったのである。
 その後、その番組を見た同僚が、良かった、というような感想を私にしてくれたが、それに対して私はブルーノ・ワルターの「音楽の持つ道徳的な力について」という文章にあったアメリカの刑務所の更正プログラムの話をして、相づちを打つだけにしておいた。正直な話、熱血体育会系のラグビーでなら不良高校生を更正させられるかもしれないが、合唱でそれができるほど教育現場は甘くないはずだ、むしろ相当まともなところでないと合唱なんかできるわけがない、という思いが私にはある。

 そうしたら、案の定、この報道である。「やっぱりな」という感じである。合唱部が成果をあげる前に、相当な実力を持つ吹奏楽部があったというではないか。全然問題校じゃないよ。
 なら、何でこんな番組ができたのか。どうもこれはNHKの取材を受けた側にも問題がある。NHKの有名番組に取り上げられれば宣伝になる、という考えが、企業のみならず学校関係者にもあるようだ。これは大問題である。ウソの話の出所が当の合唱部顧問教師というのだから、どっちもどっちという感じもする。もちろん彼の冗談というかホラというか、そういうものに乗っかって、ノンフィクションであるはずの番組をフィクションで構成してしまうNHKは、それ以上に問題だが。

余談。
 NHKは、日露戦争をテーマとした司馬遼太郎坂の上の雲」のスペシャ大河ドラマ化を計画している。司馬遼太郎自身が、生前「軍国主義と誤解される恐れがあるから」という理由で映画化を認めなかったという小説(原作連載は産経新聞)である。そういえばこの前、今年は100周年ということで「その時歴史が動いた」でも2週連続で日露戦争を扱ってたなあ。小学生に教えるべき人物として東郷平八郎が入れられたことに対して、抗議・反対があったのはもうだいぶ昔のことになってしまった。



「捏造、謝罪、協賛金、そして申告漏れ」

中島みゆきの歌で感動的な最終回を飾ったプロジェクトX
日本PTA全国協議会がおこなったアンケートで、4年連続「子供に見せたい番組」のトップに選ばれたプロジェクトXだが、番組開始当初はともかくとして、後半ネタが枯渇してからはまったく無惨なものだった。

あさま山荘 衝撃の鉄球作戦」は佐々淳行氏から苦言。
H-IIロケットの回では、アメリカを悪役にしたり、宇宙開発事業団理事長の島秀雄さんの名前が出なかったことで批判を浴びた。
白神山地マタギの森の総力戦」でも、内容が事実と異なると関係者から抗議を浴びてビデオ化は見送り。
三宅島やサリン事件の回では、なぜか自衛隊が出てこない。
「ファイト! 町工場に捧げる日本一の歌」では、あれている学校を演出するため、退学者の数を水増ししたり、来てもいないパトカーを出動させたりして学校から抗議された。

個人的にいうと「名古屋城再建 金のシャチホコに託す」は、戦火で焼けた文化財の修復するわけではなく、ただ鉄筋コンクリートの観光施設を作っただけなので、再建という言い方はちょっと引っかかる。
地盤の強さや建物の重量を計算せずに着工したため、清正の石垣が崩れそうになったりもした。
愛知万博を盛り上げるため、むりやり放送した感じだ。

番組内容の他には、書籍化やDVD化でNHKの子会社が大きな利益を上げたり、プロジェクトX展で企業に協賛金を要求していたという問題があった。
番組の最終回にあわせるように週刊新潮 1月5・12日新年特大号で、番組プロデューサーの申告漏れが報じられた。
申告漏れ自体は悪いことではないが、給与所得者であるはずのプロデューサーが申告漏れというのはおかしな話だ。
給料と別に副収入がないと申告漏れはしないだろう。

ロンドンハーツを見ている子供達より、ウソで塗り固められたプロジェクトXを見て泣いている大人のほうが心配だ。
きっとこういった人たちは一生だまされ続けるんだろう。



さて昨日,仰天ニュースがインターネット上を駆け巡った。

NHKの高視聴率番組 Project X にヤラセ疑惑が浮上したのである。
まずは,お読み頂こうか...

プロジェクトX 「番組内容違う」とNHKに申し入れ

NHKプロジェクトX」に“やらせ” 主役教師もNHKに反論

 NHKの看板ドキュメンタリー番組「プロジェクトX 挑戦者たち」(火曜・後9時15分)の放送内容が事実と異なるとして、取材を受けた大阪府立淀川工業高校(大阪市旭区)が、NHKに再放送をしないよう申し入れを行っていたことが23日、分かった。

 問題が起こったのは5月10日放送の「ファイト! 町工場に捧げる日本一の歌」。淀川工業を舞台に、新人教師が合唱部を作って荒れた生徒たちを成長させ、コンクールで日本一を獲得するまでを描いたストーリー。視聴率は10・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。

 NHKには放送直後から電話やメールで「感動した」などという反響がある一方、同校OBなどからは「事実と違う」などと批判が複数寄せられているという。

 ストーリーの主役として描かれた同校合唱部顧問は、大阪・朝日放送がこの日放送したインタビューで「(パトカーの話は)冗談で話したら、(NHKの)ディレクターが(番組に)入れたというから『うそやから、入れんといて』と言った」「合唱部は学校側から作ってほしいと言われた」などと反論。NHKには削除を申し入れたが「編集が間に合わない」と断られたという。

 番組内では触れられなかったが、淀工には当時から全国レベルの吹奏楽部があり、当時を知る関係者は「ワルの生徒たちの集まりのような“問題校”ではなかった」と指摘している。

番組で放送されたのは次のようなストーリー。
 《1979年、淀工の生徒たちは授業をさぼり、ゲームセンターに入り浸りバイクで暴走など問題を起こす生徒が続出し、年に80人の退学者が出た。そこに赴任した合唱経験のある23歳の新人教師が「歌を通して、生徒たちを変えられないか」と、やる気のない生徒たちを集めて3年後に合唱部を作った。関西合唱コンクールに初出場した時には、主催者がパトカーを呼ぶなどしたが銀賞。のちに全国大会に出場し、金賞を獲得した》

NHK「表現に行きすぎ」
 NHKでは「番組終了後、学校側から当時学校が荒れていたことの表現や退学者の数などが事実と異なるという指摘がありました。表現に一部行きすぎがあった」ことは認めたうえで、「誠意を持って、学校側と話し合っているところです」とコメント。同局によれば、一部で報じられた番組の制作過程で教師側から「番組をやめてほしい」との申し入れはなかったという。番組については昭和50年代の淀川工業高校の合唱部生徒と教師の奮闘と心の交流を、教育現場の応援歌として作ったものと説明。


結局,「バラエティー分野」には良識など要らないのである。とにかく視聴率,面白おかしければそれでいいのである!!
そういうNHK,或いは民放連の中にも「報道・表現の自由」などを盾にとって好きなことをしようという流れがあるようだ。
かつて,当ブログでも言ったが,報道の自由には,報道の良識が伴わなくてはならない。何でも自由ではないのである!!過去の例では,テレビ東京が,不祥事番組を番組終了にした例があるが,今回NHKはどういう対応に出るのか??

NHKですら,この体たらく,やはり,何らかの強力な抑止力のようなものが必要ではないだろうか?!


プロジェクトXと西堀栄三郎のこと(嘘はいかんよ,嘘は) 松浦 さん 2001年03月30日(金) 05時30分
[Mozilla/5.0 (Macintosh; N; PPC; en-US; m18) Gecko/20001108 Netscape6/6.0]
 すんません,あまり伸びないと思いますけれど,スレッド一つたてますね。

 実は今、ぼつぼつと西堀栄三郎:第一次南極越冬隊の隊長さんだった人ですね、の文章を読んでいます。元はと言えば、NHKが「プロジェクトX」で、あまりに嘘っぽい感動物語をやっていたので、「本当かいな?」と思ったのがきっかけだったのですが。

結論から言うと「プロジェクトX」,かなり嘘が多いです。それも,事実の取捨選択というノンフィクションで通常許される範囲を超えて,「脚色」が行われています。

 たしかにとっかかりとしては良い番組なのですが,後で自分でフォローしておかないとあぶないな,と思います。「感動」はいいんだけれども,なんでもかんでも「赤軍の英雄的突撃」でかたずけちゃう,旧ソ連の中学歴史教科書になっては話にならない。

で,「プロジェクトX」南極越冬隊編の嘘

・これは気が付いた人も多かったようだけれども,現場で越冬を決めたというのは嘘。西堀は事前に越冬をするつもりで徹底的に準備をすすめていた。最後まで永田が決断を引き延ばす形にしていたが,事実上越冬することは決まっていた。
 だから,西堀が永田を訪ねて「やりましょう」といったというくだりは限りなく嘘に近い。

・ホンダが寄付したことになっていた風力発電機。あれはホンダが自発的に持ち込んだのではなく,西堀が本田宗一郎に頼み込んで作らせた。しかも,現地では使われることなく,氷の海に流れていってしまった(あの流された荷物の中にはいっていたわけです)。
 未確認だけども,ソニーが自発的に通信設備を寄付したというのも,おそらく西堀が「よこさへんか」と交渉したのでしょう。

・永田のところにある日西堀がやってきて,「私は南極に一番詳しい男だ」といったというのは嘘。
 実際は,科学者の永田は観測のことしか頭になく,「南極にいくということは,そこで生活することだ」ということに,かなり準備がすすんでからやっと気が付いた。さあ,人材がいないぞ,というので日本山岳会に適当な人材の紹介を頼み,候補(といっても西堀と,加納一郎しかいなかった。加納は体が弱かったので,事実上候補は西堀のみ)から,東大学長だった茅誠司が西堀をくどき,永田に推薦した。
 ちなみに,西堀と永田はことごとく衝突し,関係者はその角逐を「NNカップリング」と称して恐れたそうだ。

・双子が生まれた隊員の話。実は双子ということは出発前にわかっていた(当然だよね。心音でわかるから)。その上で男か女か,だったわけ。放送では,一人のつもりが二人だった,というニュアンスで紹介されていたがそれは嘘。

 いや,調べてみるもので,例えば朝日新聞記者だった田英夫(後の社会党議員ですね)が,越冬隊についていっていたり,西堀の「南極越冬記」(岩波新書)は,西堀メモを元に本多勝一ゴーストライターを務めたとか,いろいろありますねえ。
 面白い話はいくらでもあるのに,「プロジェクトX」ではそれを無視して,どうでもいいところで感動話にしているのがなんとも。

 以上,ちょとと調べてみた結果です。


 そして私は調べるほどに西堀にひかれるものを感じたのでした。なかなかの人物ですよ,このじいさん。人生も人格も,とても風通しがいい。

 永田は自分から「僕は官僚だから」と言ってしまうような秀才タイプにして官僚タイプ。ボトムアップの意見集約が得意で、南極越冬に関しては「慎重にも慎重を期して、最初の観測隊は基地を設営するだけ。確信が得られたら二年目以降に越冬を行う」という態度でした。
 一方西堀は京都大学山岳会創設メンバーで登山家にして現場技術者で品質管理の専門家。彼は「最初から越冬をしなければダメだ。まず越冬をすると決めて、それに耐えられるようにありとあらゆる準備をするんだ。それでも必ず不慮の事態というのは起こるに決まってるんんだから、それはその場の創意工夫で乗り切るんだ」という態度でした。

 端的なエピソードは、永田は「越冬ができると分かったら越冬をする」と言ったのに対して西堀は「越冬に耐えられる奴を連れて行けばいいんや」と主張したとか。

 越冬のために西堀はありとあらゆる準備をします。それこそ南極一号なんてものを準備するほどに。それで11名で見事越冬を成功させたのです。

 私はこの西堀の思考に惹かれるものです。まず「やる」と決めてしまう。そしてありとあらゆる状況を想定して準備をする。それでも予定外のことは必ず起こるのだから、それはそのときそのときの判断で乗り越えていく。そうすれば必ず目標を達成できるというあきれるほど肯定的な思考ですね。
西堀語録に「石橋をたたいたら渡れない」というのがあります。一度橋をたたき出したら疑心暗鬼になって渡れっこない。まず渡ると決めてしまうんだということです。

 そんな西堀は激しい毀誉褒貶にさらされました。彼を揶揄する言葉に曰く「ブランコがあったら乗らずにはおれない奴」、でもこれは素晴らしいことじゃないかと思う。ブランコの鎖が切れちゃうんじゃないかと心配して、結局ブランコに乗らないよりはね。

 そんな西堀は若者を育てるこつとして「図に乗らせることだ」と常々言っていたそうです。なにかをやってもってきたら、「そりゃええなあ」と言う。すると、そうか俺は正しいのか、と調子にのって、本当に調子が出てくる。それが力になるんだというわけですね。

 だから西堀門下の若者は皆、やわらかい京都弁で「そらええなあ」という言葉に感激し踊らされたそうです。みんな後で「え。お前もか」と気がつくけれども、そのときにはもう実力が付いているわけです。

 そんな西堀は,帰国後原子力開発,なかんずく原子力船「むつ」の開発に従事するのですが,こちらは南極ほど彼の意志が通らなかったようです。
 やはり国民的支援を背景に,官僚と対峙できた南極越冬と,利権としがらみがどろどろにまつわりついていた原子力では大分差があり,いかな西堀でも力がでなかったようです。

 晩年,原子力のことを聞かれると「ううむ」とかなんとかいって多くを語らなかったそうです。

松浦


NHKの「プロジェクトX」に涙していては、日本は21世紀を生き抜いていくことはできないだろう。誤解のないようにいうなら、私たち70歳に手が届こうという年齢層には、「プロジェクトX」を見てある種の感慨に酔い痴れ、思う存分涙することが許されるだろうと思う。なぜなら、これらはすべて自分たち自身がやってきたことだからだ。NHKとして問題にしなければならないのは、プロジェクトXの時代を知らない若い人々が、「プロジェクトX」を見てどう感じているかということだ。


嘘ジェクトX

「8ミリの悪魔VS特命班」~最強の害虫・野菜が危ない ―起死回生の突破口 プロジェクトX~挑戦者たち~ [Kindle版]

が百円で売られていた.

 このシリーズはテレビ番組を基にしているからパンフレット程度の内容だが,百円は安い.
 そう思ったのだが,安かろう悪かろうだった.内容がまるでデタラメなのである.

 テレビでの放送は観ていないのだが,少なくともこの書籍版では沖縄本島のことを「沖縄」としたり,他の島も含めて「沖縄」としたり,ほんとにテキトーである.だからほとんどの読者はわけがわからなくなること確実である.
 そしてあちこちに嘘が書かれているが,一番ひどい嘘の部分を次に引用する.(Kindle 版の位置No.633中の104)

《沖縄が本土復帰を果たすと、その瞬間から日本の法律「植物防疫法」が施行される。その法律によれば、一匹でもウリミバエが見つかれば、その島からは本土に野菜を持ち込むことは一切できない。》

 植物防疫法は,沖縄の本土復帰には無関係である.沖縄の野菜は,本土復帰前から本法の適用を受けていた.ウリミバエ繁殖国 (地域) からの輸入を水際で防ぐ (本土復帰前) か,国内での野菜等の移動を禁止する (本土復帰後) かという形式的な法適用の違いがあるだけである.
 植物防疫法のことは番組のメインストーリィに関わる部分である.それが嘘では話にならぬ.
 取材した記者は農業も食糧貿易も,輸入関税も防疫も法律も,何も調べずに,関係者からのインタビューだけでこの番組をでっち上げたのであろう.そうとしか思われない.

 『プロジェクトX~挑戦者たち~』は,ほとんど観たことがないが,一時はNHKの看板番組の一つといわれていたのではなかったか.しかるにシリーズの他の放送回も,すべてこの調子なんだろうか.たぶんそうだろう.情けないことである.



「デキる人ほど上手なウソをつく! 見抜かれないウソのつき方
酒井和夫
この世にウソは欠かせない「ヤラセ」のないテレビ番組はない「視聴者は「ウソを求め、テレビ局中ャラセで応える 55 視聴者は「ウソ」を求め、テレビ局は「ヤラセ」で応えるかつてのNHKの看板番組「プロジェクトX」に、多くのねつ造、歪曲、誇張があった」


金閣寺といえば、私も感動して見ていたNHKプロジェクトX
やっぱり作り話が多いという確実な情報を与えてくれました。

 2002年11月12日に放映、「金閣再建 黄金天井に挑む」です。

 シナリオの概要は、
 昭和25年に焼失した金閣寺が30年に再建された。しかし、貼った
金箔の下の漆が浮き上がってきたので、再度金箔を貼りなおすこ
とになった。
 原因は金箔が薄く太陽光が通過し漆を劣化させた。
 そこで研究の結果5倍の厚さの金箔が太陽光を遮断することが
解りそれを作り、接着性のよい漆を探し、また天井にも隙間なく
貼る技術を持つ職人を集め、苦労して貼り替えに成功した。

 私は貴金属に関係しているので、金箔も勉強していました。
 金箔は展延性のよさを活かし、1万分の1ミリの厚さに伸ばします。
これを、漆器や絵画に用いますが、建築物や家具調度品など、耐
久性を求めるものは厚箔という通常の箔の10倍のものを用います。
これは、業界の常識といわれています。
 然るに、金閣寺に5倍の厚みの箔を用いればよいという研究成果
がまるで新発見のようにいうナレーションに、唖然としました。

 最初に金箔の貼り方が悪かったので隙間があった。それをカバー
する職人を探し集めたとのことでした
 が、金箔を貼るときに隙間を作る職人などいません。
 しかも、金箔は1枚でなく、何枚も貼り重ねていきます。場所によっ
て違うでしょうが、金閣寺はたしか3枚の金箔を貼り重ねたように友
人から聞いたように思います。(ちょっと記憶があいまい)
 確かに、天井を向きながら漆が乾かないうちに貼るという長時間
の仕事は大変ですが、職人なら当り前のことを、ことさらのように
強調していました。
 漆によって接着性に差があることは職人なら知っています。
 
あれもこれも、NHKが視聴者に感動を押し売りするためのシナ
リオだったのです。

 それ以後、見方が変わりました。そうしてみると、プロジェクトX
は嘘だらけということに気がつきました。

 ネタが切れたために中止したと言っていますが、嘘がばれて
騒がれない前に引っ込めてしまったというのが私の印象です。

 金箔余談

 金箔を極端に薄くすると透明になります。しかしそれでも赤外線の
反射率が高いので、溶鉱炉の窓(私は見たことがありませんが)や、
宇宙船の窓に透明の金箔が貼ってあるとのことです。
        
 金箔といえば純金と思い込んでいる方が大半ですが、金に、銀、銅
を添加しています。色の違いを作り、さらに展延性をよくするためです。 
 また、食品に散らす金箔、お酒に入っている金箔は銅は添加されて
いません。
 これは、食品衛生法によって銅割り金箔を禁じているからです。
 ですが、私の解釈では銅も体に毒ではないと思います。
 昔、銅精錬の技術が不十分だった頃(最終精錬の電気銅がない頃)、
ヒ素残留していることがあったので、その頃の名残の法律ではない
かと思っています。
 現在に合わせて改正すればよいのに、役所のやることは・・・・。
 水圧検査とも共通しているかな??

 金閣寺で思い出した出来事です。



中坊公平氏死去 元日弁連会長、83歳
森永ヒ素ミルク被害者弁護団長や巨額の消費者被害を出した豊田商事破産管財人を務めた元日弁連会長で、整理回収機構初代社長の中坊公平(なかぼう・こうへい)氏が3日午前8時5分、心不全のため京都市の病院で死去した。83歳。京都市出身。葬儀・告別式は既に親族で執り行った。

 京大法学部卒業後の1957年に弁護士登録。73年に森永ヒ素ミルク中毒被害者弁護団長、85年には金のペーパー商法で多数の被害を出した「豊田商事」の破産管財人となり、非協力的な役員を追放するなどして資産を回収、被害者に総額約121億円の配当を実現した。

 90年4月から2年間日弁連会長。香川県・豊島の産業廃棄物問題の住民側弁護団長としても活動するなど“市民派弁護士”の代表格とされ「鬼の中坊」「平成の鬼平」の異名も。

 手腕を買われ就任した整理回収機構(旧住宅金融債権管理機構)社長時代は不良債権回収の実績を上げたが、協力しない借り手らを警察に告発する手法に「在野法曹の弁護士が権力と癒着した」との批判も受けた。