二ビル通信

えげつない問題を勝手気ままに取り上げるブログ


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金融の歴史 ユダヤ/キリスト教/国家勢力の暗闘


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■「ユダヤ人=金貸し」のイメージは、どこから生まれたのか?

●迫害の歴史の中に、そのヒントがある
「ユダヤ人」と聞いて、あなたはどのようなイメージを持ちますか。「勤勉」「頭がいい」「迫害」etc。しかしその中でも「金貸し(金融業者)」のイメージが最も強いのではないでしょうか。

●「利子をとってはならない」が聖書の教え
ユダヤ人と中世ヨーロッパの金融の歴史を見ていきます。「外国人には利子をつけて貸してもよいが、同胞には利子をつけて貸してはならない」『旧約聖書』・申命記が伝える預言者モーセの言葉です。『旧約聖書』はユダヤ教聖典であると同時に、ユダヤ教から派生したキリスト教イスラム教でも聖典とされます。現在、イスラム世界には銀行がありますが、利子をとることはできません。銀行はどうやって利益を得るかというと、融資先(すなわち企業)との共同出資という形で事業を立ち上げ、利益が上がったらそれを銀行と融資先とで折半しているのです。さて、『旧約聖書』では利子に対し厳しい規定がありましたが、「外国人=異教徒から利子をとることは罪ではない」とされています。古代ユダヤ国家がローマ帝国によって滅ぼされ、ユダヤ人は各地に離散しました。その後ローマ帝国が崩壊し、北半分はキリスト教世界、南半分はイスラム世界となりますが、ユダヤ人(ユダヤ教徒)はいずれの世界でも外国人=異教徒と見なされました。

●ピンチをチャンスに変える
キリスト教世界では「イエス・キリストを十字架にかけた邪悪なユダヤ人」という偏見が広まり(イエスも聖母マリアもユダヤ人だったはずですが)、カトリック教会の指導者であるローマ教皇や西欧各国の王はユダヤ人の土地所有を禁じ、またユダヤ人に対する襲撃事件も繰り返されました。迫害から逃れて流浪するユダヤ人は全財産を貴金属に換え、異教徒であるキリスト教徒に金銭を貸しつけて利子をとる金融業者として生き続けたのです。こうしてユダヤ人が金融業者として生き残りの道を模索する一方、キリスト教徒の中にも金融業者が出現します。

●預金通帳やキャッシュカードは、宗教騎士団が作った
その始まりがテンプル騎士団です。十字軍の時代、聖地エルサレムイスラム教徒の襲撃から防衛し、キリスト教徒の巡礼者を保護する軍事組織として結成され、フランスの貴族が歴代の騎士団長を務め、西欧各国の王や貴族たちから土地を寄進されました。治安の悪い時代ですから、エルサレムへの巡礼者は途中で盗賊に襲われることが多く、現金の持ち歩きは危険です。そこで騎士団は巡礼者の旅費を預かって預かり証を発行し、預かり証を提示されれば現金を払い戻すシステムを確立しました。預金通帳やキャッシュカードの原型です。その際、「預かり手数料」という形で利子をとったのです。やがて騎士団は莫大な資金を運用するようになり、フランス王室にも融資を行いました。国際金融機関のはしりです
フランス王フィリップ4世はイギリスとの戦争で財政難に陥っていました。王はユダヤ人の財産を没収して国外追放したあと、テンプル騎士団員の全員逮捕と財産没収を命じます。「悪魔崇拝・同性愛」の罪状で拷問にかけて自白させ、騎士団長以下、火あぶりにするというめちゃくちゃな方法で騎士団を壊滅させ、その財産をフランスの国庫に移しました。国際金融機関と国家権力との暗闘の始まりです。テンプル騎士団の残党が、専制打倒を掲げる秘密結社フリーメーソンに流れ込み、のちにフランス革命などで暗躍した、という伝説もあります。

●両替手数料として、利子をとるようになる
イタリアでは、フィレンツェメディチ家に代表される両替商が、事実上の銀行業務を開始します。彼らは両替手数料の名目で利子をとりました。これを非難されたメディチ家が、教会や公共施設への莫大な寄進を行い、建築家や画家たち-ボッティチェリミケランジェロを雇ってイタリア・ルネサンスパトロンとなりました。北イタリア・ロンバルディア地方の両替商はイギリスのロンドン中心部(シティ)にも進出し、金融センターのロンバード街を開きました。

●金融帝国の立役者、ロスチャイルド家
自由、平等を掲げたフランス革命の時代にはユダヤ人迫害も下火になり、金融業者として大きな力を持つユダヤ人が現れます。ドイツのフランクフルトではユダヤ人両替商のロスチャイルド家が各国の王や貴族への融資で台頭しました。初代マイヤーは危険の分散のため息子たちにロンドン・パリ・ナポリ・ウィーンの支店を任せます。ロンドン支店のネイサンはナポレオン戦争(ワーテルローの戦い)でフランス軍敗北の情報をいち早く入手、そしてフランス軍勝利のニセ情報を流して、イギリス国債を暴落させてから買い占め、欧州最大の金融資本として不動の地位を確立するのです。