二ビル通信

えげつない問題を勝手気ままに取り上げるブログ


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食品安全近代化法はいかにして米国の雇用や農家、地域の食を破壊するか

食品安全近代化法は実際のところ、地元のレストランや食料品店向けに作物を生産している地域密着型の小規模農家に対し、どのような影響を及ぼすのだろうか? このことを確かめるべく、テキサスに赴いて数人の地元小規模農家の人々に会い、S510法案:食品安全近代化法による彼らへの影響はどのようなものかを聞いてみた。


以下はS510法案と、テスター修正案の小規模農家への適用除外について話した内容を簡単にまとめたものだ。

ファーマー・ブラッド(以下FB):「枠の中に留まって、それ以上ビジネスを拡大するな」だなんて、あまりにも非アメリカ的だよ。50万ドルが収入上限だなんてね。

ヘルスレンジャー(以下HR):農業の破壊だね。

FB:ビジネスプランやどうやって作物を売るかを、全面的に見直さなければならなくなった。卸売はやめる。シェフやレストランへの販売をやめて、消費者への直販だけになる。

HR:事業拡大から手を引く?

FB:そうなるね。去年この問題が起こって、様子を見ていたんだ。いくつか計画を保留にして、ビジネスを手控えてきた。繰り返しになるけど、これがこの法案が地域の食のシステムにもたらす影響なんだ。

HR:そうだね。

FB:稼ぎすぎちゃ困るんだ。


誰がアメリカ経済を壊しているのか……

答えはもちろん、米連邦議会だ。小規模農家(そもそも食糧問題の根源は彼らではない)に煩雑な書類手続きや報告義務を押しつけることで、連邦議会は農家を廃業させ、農関連の雇用をメキシコその他に移そうとしている。

アメリカの農家が「稼ぎすぎちゃ困る」から事業を「縮小する」(食料供給に独裁体制を敷こうと拡大するFDAの支配下に入る)、と言うなら、この国の経済は破綻へと運命づけられたようなものだ。

かつてアメリカは、機会の平等や、努力には見合った対価が支払われるという概念のもとに建国された。小規模ビジネスに投資し成長させる者は、利益を得るべきなのであって、処罰されるべきではない。しかし今や、連邦議会と食品安全近代化法のおかげで、ささやかな売上をあげた小規模農家は(食品の売上が50万ドルというのは、ごく小規模といえる範疇であり、そこから得られる実際の利益は、1年間の労働に対してわずか5万ドルほどであろう)成功したことで処罰を受けることになるのだ。

自由企業もはやここまで。地産地消もはやここまで。今後数年の食品価格急騰に注目しよう。FDAの鉄槌のもと、小規模農家が廃業に追い込まれ、アメリカで地域の食の安全が崩壊してゆくのを見守ろう。

しかしもちろん、これこそが帝国の望むものなのだ。食料生産を完全に支配下に置けば、人々は「大きな政府」が定めた供給源から食料を買わざるを得なくなる。それら独占的な供給源とは、言うまでもなく、農薬まみれの遺伝子組み換え作物を生産する、強力な中央集中型の巨大企業群である。FSMA(食品安全近代化法)のおかげで、我々は正真正銘のフードファシズムのしくみに組み込まれてしまったのだ。

私の言葉をただ鵜呑みにするのではなく、ご自身で農家に訊ねてみてほしい! 聞き込みを続けてきて、その答えから憂慮すべき真実が浮かびあがってきた。アメリカの食の安全は、失われようとしている。

在来種作物の種子を、手に入るうちに買っておくと良いかもしれない。そう遠くない未来、地域の食品価格は暴騰し、自家で食物を栽培する必要に迫られるかもしれない。FDAお墨付き「バイオテクノロジー」である遺伝子組み換えをほどこし、除草剤を吹き付けた、巨大企業が生産する「食物」を食べたいというのでなければ。

考えただけでお腹が減るに違いない。遺伝子組み換えのコーンはいかが?